昭蓮寺Day`s20

僕らのアンコクロン。一番問答~二番問答。

 

旅人が来て、嘆いて言いました。大震災から、二年を経ました。その間、各地で、大洪水、大寒波が起こり、インフルエンザが流行り、放射能や黄砂、PM2・5等の汚染は広く海や空気に広がっています。そして、大きな余震は止む事がありません。コンビニエンスストアー等の賞味期限切れの食物は、次々と廃棄されゴミになります。人々は、有り余る食物を食べ過ぎ、様々な成人病に侵され、国中、何処の病院に行ってもそこは、病人で溢れ返っています。更には、百万人に一人といわれる、甲状腺の異常を持つ子供が多くいます。年間に、交通事故死は四千五百人、孤独死は二万人、自殺者は三万人、人工中絶される命は三十万人を超えます。それでも、人々は、我関せずと無関心を装い、カラオケ、ゴルフ、遊園地とレジャーに勤しんでいます。

しかる間、或いは、景気回復の文を専らにしてお金さえあれば、極楽気分を味わえると、満員電車に揺られ身を粉にして働き、或いは、国民健康保険があるから安心と、病院通いを日課とし、或いは、ヨガという呼吸法と体操で心を安定させ、或いは、資本主義は、もうまっぴら御免と、鍬を担いで、自給自足と田舎暮らしを決め込む者もあります。そして、デフレ脱却を願い、印刷機でじゃんじゃんバリバリ、福沢諭吉を印刷しようとする者もおります。

しかしながら、いたずらに心を砕くのみで、何の効果も無く、益々、経済は悪くなり環境汚染は進み、癌患者は増える一方であります。三十年ローンを組んだマイホームの主人お留守のベランダで、悲しく洗濯物が揺れているのであります。夜空を見上げれば、黄砂で霞んだお星様が僅かに光っています。そんな中、お坊様は、金襴緞子の立派な法衣に身を包み、冷暖房完備の葬祭場では、厳かに葬儀が執り行われ、真っ白な桐の棺桶に美しい花で飾られた祭壇は、まるで霊山浄土の様相を呈しています。しかしながら、葬式離れ、墓離れ、檀家離れは益々進み、お寺に来る人はどんどん減っています。天皇皇后両陛下は福島の放射能除染の様子を視察に行かれましたが、作業員と案内人はマスクをし両陛下はマスク無しで視察されるありさまです。仏教も天皇も威力を失い、様々な問題により衰退していく日本の姿は一体どの様な理由で起こったのでしょうか。またどの様な誤りがあるのでしょうか。

主人が答えて言いました。自分もこの惨状を目の当たりにし、憤りを覚え、その災難の原因について深く思い悩んでおりましたが、あなたが、共に嘆かれるので、暫くこの問題について話し合いを致しましょう。そもそも、出家し道を求めるのは、正しい教えによって、悟りをひらき佛に成りたいからであります。しかし今は、神様への願いも叶わず、佛様の御力も現れず、災難はいよいよ増すばかり、これでは成仏どころではなく、天を仰いでは出家の目的が失われたと深い憂いと絶望に沈んでおります。私は狭い見方しか出来ませんが、少しく仏教に尋ねますと、人々は正しい教えに背き、悉く悪い考えを信じている。だから、善い神様は国を護ることを辞めてどこかに去ってしまい、正しい教えを広める聖人も去って、帰ってこないので、その隙に、悪魔、悪鬼が入り込み、次々に災難を起こしているのです。此の真実は、とても重要な事で言わずにはいられない事です。

旅人は尋ねて言いました。近年の国中の災害については、私だけが嘆いているのではないようです。今あなたを訪ね、尊いお言葉を賜ったところ、善神や聖人が去ることで、災いが起こると仰せですが、どのお経文に書いてあるのでしょうか。その証拠を聞かせて下さい。

主人は答えました。金光明経、大集経、仁王経、薬師経には、明らかにその事が書かれています。仏教の道理に暗い人はその事を知らず、科学の力や経済力で自然をも凌駕できると傲慢になり、教えを捨ててしまったのです。

旅人が怒り顔色を変えて言いました。そんな事はありません。震災後、あるIT企業社長の何十億円もの多額の寄付をはじめ、日本各地で被災地を支援する募金活動をしたり、直接現地に向かい、多くのボランティアスタッフが被災地を支援しました。また、三周忌を迎える被災地の各地では、犠牲者の霊を弔う大法要が盛大に執り行われ、多くの参拝者はそのありがたさに涙を流しました。震災に関する事だけではなくこの他にも、多くの日本人は、お塔婆を立て、お彼岸やお盆のお墓参り、先祖供養は欠かすことがありません。毎年大晦日では、除夜の鐘を突こうと多くの参拝者がお寺を訪れます。この様に、仏教の精神は廃れておりませんが、いったい誰が仏教を軽んじたというのでしょうか。その証拠を聞かせて下さい。

 

 

※これは一例です。これからも、立正安国論を通じて読みとる事の出来る三世の諸問題に光を当て向き合って行きたいと思います。

 

南無妙法蓮華経

立正安国、世界平和

脱原発を祈ります。

 

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